九州 大分県には、日本最長の鍾乳洞があり、水中部分も含めて、2014年の調査時点で距離800メートル入口からでは1,000メートル最大水深46メートルと計測され、その後の調査で、既に距離もさらに延長されております。
いまも調査は続けられており、さらに記録が更新される可能性は、とても高い鍾乳洞であります。
2019年5月に水中洞窟でのダイビングが一般開放されました。
今回は、稲積水中鍾乳洞のダイビング部門をお世話されているCave Explorers INAZUMIのSDI TDIインストラクター大濱裕次さんと稲積水中鍾乳洞でのダイビングをご一緒し楽しんでまいりました。
●インタビュー
TDI代表 加藤:
『大濱さん、今回はよろしくお願いします。日本国内で淡水のケーブダイビングサイトができたことはケーブダイバーにとっては本当にうれしいことです。 ありがとうございます。 私かも最も喜んでいる一人だとおもいます。 この稲積鍾乳洞のダイビングの調査の歴史は古いと聞いていますが、今回、一般開放されるようになるまでの経緯を教えてください。』
大濵さん:
『稲積水中鍾乳洞は、その成り立ちから深くダイバーが関わっております。 1976年に塩月耕率いる佐伯ダイビングクラブの調査が始まり数多くの地底湖を発見しました。 その地底湖を結ぶ穴を掘削して現在の観光洞が完成する事になりました。 その後、世界各国から多数の探検家が調査を行い現在に引き継がれております。 探検家の方たちは記録の更新や学術的調査が主な目的でした。
2014年の調査に初めてサポートダイバーとして調査に参加させて頂いた時に、おぼろげではありますが、とても使いやすい洞窟だと直感しました。 今迄、日本の海洋性の洞窟や海外の洞窟を潜らさせて頂きましたが、稲積水中鍾乳洞は、限定的ではありますが、ダイバーにとってとても使いやすい洞窟です。 日本の洞窟は、海水であれ淡水であれ、潜る事は、とても大変です。 私は、遊ぶこと、トレーニングする事において、稲積水中鍾乳洞は、とても価値があると思います。 その後、沢山の苦労を重ねて友人である白石香一(カナロア宮崎)さんと共に楽しみながらオープンさせて頂きました。』
加藤:
『この稲積水中鍾乳洞の魅力、そして、どんな人たちにみてもらいたいと大濱さんは考えていますか?』
大濵さん:
『魅力ですか、沢山ありますね 。
珊瑚や魚は、基本的にありませんし漆黒の世界です。
今の私が感じられるものは、マニアックですが自分をとても感じる事が出来ます。スキルも、精神も何もかも丸裸にされます。 遥か彼方の時代にも接する事ができます。 見たこと、感じたことのない空間がココにはあります。 その世界に光をあてるのは、ダイバーの皆さまです。 普通な感じの魅力では、光と影の世界、自然の造形の脅威、水中だから出来る上下左右 全方向からの空間アクセス、古代の地層、未知との遭遇、ちょびっと探検気分等々
私は、ダイバー・ノンダイバー問わず全てのダイバーの方が体験されると素敵だと思います。 ご家族やご友人とでも、皆さんでお楽しみいただけます。 稲積水中鍾乳洞は、ノンダイバーの方からエキスパートの方まで、OC、OCW、SM、CCR、DPV、Ean等、対応可能です。 とても懐の深い洞窟ですので、多くの方がダイビングで楽しむ選択肢と考えてもらえると嬉しいですね。』
SDI TDIインストラクター: 大濱裕次さん
2000年になる前にダイビングに目覚め、ナウイOWDカードで、あちらこちらを潜る危ないダイバーが誕生。2000年初頭にケーブダイビングに目覚めてトレーニングを開始、ご先祖さまが目の前に現れたので、進退を考え直す。ケーブダイビングが諦めきれず、道を考え直してOWDからやり直してPADIのOWSIになる。その後、様々なテクニカルインストラクターと出会い、学ぶことになる。
ダイビングで、色々と遊んでいるうちに、いい年になってしまいましたので、そろそろインストラクターのカードを使ってみようと考えています。
SDI・TDIインストラクター PADIインストラクター RAZORインストラクターIANTDインストラクター IARTインストラクター
SDI TDIダイブセンター: Cave Explorers INAZUMI
公式ホームページ: http://caveinazumi.jp/
今年同じく稲積鍾乳洞を視察されたTDIダイブセンターにもレポートしていただきました。
スティングレイジャパン スタッフ 鈴木智子さん:
『日本では海洋のケーブが多い中、まるでフロリダのケーブを思わせるような淡水での素晴らしい景色が広がっていました。 エリアや深度等も様々で、ダイバーの経験やレベルに合わせて楽しめる場所だと思います。 自然の造形美、狭い通路や広い通路、上下の変化等、楽しめる要素が多くあり私達も大興奮でした! 陸上の観光客の方に見守られながら水中へ入っていくのも不思議な感覚です。 大濱さん始め、関係者の皆様のお力あってのダイビングポイントオープンだと思います。 本格的なケーブエリアへ挑戦してみたい方は、意識を高く持ち必要な技術や知識を得て、この環境を守っていくために大切に潜っていきたいですね。』
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